ベン・アフレック 『ザ・タウン』レビュー



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土地そのものとの関係が希薄な幻想の共同体と確かな感触を持つ土を媒介にした絆

ベン・アフレックの監督第2作、チャック・ホーガンのミステリー『強盗こそ、われらが宿命<さだめ>』を映画化した『ザ・タウン』でまず興味をそそられるのは、物語の舞台となるマサチューセッツ州チャールズタウンだ。

ボストンの北東部に位置し、住民たちが“タウン”と呼ぶこの地域は、他のどの地域よりも多くの銀行強盗、現金輸送車強盗を生み出してきた。もちろんそれには理由がある(ことになっている)。かつてチャールズタウンには凶悪犯罪者用の最重要警備刑務所が存在し、その刑務所が移転したあとも、犯罪者の共同体が残った。

アフレックがそんな背景に関心を持っていたことは、プレスに収められら彼のコメントから察せられる。

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ワン・チュエンアン 『再会の食卓』レビュー



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二作つづけて二人の夫を持つ妻の物語を映画にする監督はなかなかいない

ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランプリ)を受賞した前作『トゥヤーの結婚』と、同映画祭で銀熊賞(最優秀脚本賞)を受賞した新作『再会の食卓』を並べてみると、ワン・チュエンアンがかなりユニークな感性とこだわりを持った監督であることがわかる。

『トゥヤーの結婚』の舞台は、砂漠化が進む中国の内モンゴル自治区。遊牧を営むヒロインのトゥヤーと家族は窮地に立たされている。夫が生活に必要な水を確保するために井戸を掘っているときにダイナマイト事故に遭い、下半身不随になってしまったからだ。

重労働で身体を壊しかけたトゥヤーは、夫の勧めに従い、家族が生きていくために離婚し、新しい夫を探すことにする。彼女が出した結婚の条件は、元夫の面倒も見ること。そのため彼女は、再婚によって二人の夫を持つことになる。

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02/10トークショーの打ち合わせ



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『ゼロ年代アメリカ映画100』刊行記念トークショーについてはすでにお知らせしましたが、芸術新聞社の編集者の根本さん、大森さんと筆者の3人でその打ち合わせをやりました。大森さんと筆者がセレクトしてきた「ゼロ年代アメリカ映画ベストテン」を照らし合わせてみたら、重複しているのは1作品だけでした。それはゼロ年代の始まりを告げる1本、トークショーでも最初に取り上げる作品になるかと思います。

筆者がセレクトしたのは、完成度や重要度が高い作品というよりは、それぞれにゼロ年代を象徴するような意味を持つ作品で、同様の意味を持つ別の作品も候補にあげていたのですが、大森さんのリストには、もしかすると筆者が選んでいたかもしれない作品がけっこう入っていたので、視点やテーマなどかみ合ったトークになりそうです。