グレゴール・ジョーダン 『4デイズ』 レビュー
テロとの戦いや安全保障をめぐるアメリカのジレンマ
(公開延期になっていた『4デイズ』の公開日が再決定しましたので、『宝島』に書いたレビューをアップします)
かつて『戦争のはじめかた』で米軍を痛烈に風刺したオーストラリア出身のグレゴール・ジョーダン監督が、またアメリカ人が目を背けたくなるような作品を作り上げた。テロとの戦いや安全保障に関わるこの新作がアメリカであまり話題にならなかったのは、痛いところを鋭く突いていたからだろう。
映画は、改宗してムスリムになったアメリカ市民の男ヤンガーが、ビデオカメラに向かってメッセージを録画するところから始まる。彼は、国内の3都市に核爆弾を仕掛け、要求が受け入れられない場合には4日後に爆発すると予告する。