オタール・イオセリアーニ 『汽車はふたたび故郷へ』 レビュー



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故郷を喪失したディアスポラとして生きることの孤独と痛み

オタール・イオセリアーニの新作『汽車はふたたび故郷へ』の世界は、『月曜日に乾杯!』や『ここに幸あり』といった近作に見られたような、ほのぼのとしてさり気なく皮肉をきかせた悲喜劇とは一線を画している。それは、この映画にイオセリアーニの自伝的な要素が盛り込まれていることと無関係ではない。

旧ソ連のグルジアで生まれ育ち、映画監督になった主人公ニコ。だが、厳しい検閲があるために、思うように映画を作ることができない。そんな彼は、上映禁止になったフィルムを海外に持ち出し、当局に目をつけられてしまう。

八方塞になった彼は、フランスに旅立ち、なんとか映画を撮るチャンスをつかむ。ところが今度は、ビジネスを優先するプロデューサーが創作の自由を奪い、映画を支配しようとする。

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今週末公開オススメ映画リスト2012/02/02

週刊オススメ映画リスト

今回は『人生はビギナーズ』『NINIFUNI』『ハンター』の3本です。

『人生はビギナーズ』 マイク・ミルズ

『サムサッカー』のマイク・ミルズの新作。ミルズのプライベート・ストーリーに基づく物語で、75歳にしてカミングアウトした父親と息子の絆が描かれる。月刊「宝島」2012年3月号の連載コラムでレビューを書いております。

父親はどんな時代をくぐり抜けてきたのか。それがわかっているとドラマがより深いものになる。ミルズの表現はさり気ないが、明らかに(特に50年代の)抑圧の時代を理解していてそのように描いている。

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ナタリア・スミルノフ 『幸せパズル』 レビュー

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マチスモの世界の中で、主婦・マリアが求めたもの、見つけたもの

ラテンアメリカ社会における女性の立場や男女の関係に少なからぬ影響を及ぼしているのがマチスモの伝統だ。マチスモとはどのようなものなのか。国本伊代・編『ラテンアメリカ 新しい社会と女性』では、その意味や現状が以下のように説明されている。

ラテンアメリカ文化の特質ともされてきたマチスモとは、動物のオスを意味するマチョから発生した言葉であり、男性優位主義の思想に基づく行動および思考を指している。「弱き女性」を守る「男らしさ」や「たくましさ」を意味する言葉として肯定的に使用されることもあるが、近年では暴力的な「男性性」の「横暴さ」を表わす側面の方が強い

但し、ひと口にマチスモの伝統といっても、それぞれの国の成り立ちによって違いがある。たとえば、アルゼンチンの場合には、国民の大半がヨーロッパ人とその子孫で占められていることが、独自の女性観に結びついている。

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