杉江松恋さんによる読み応えのある新書版『サバービアの憂鬱』レビューがカドブン(WEB)に掲載されました



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以前の記事「『サバービアの憂鬱』と杉江さんや川出さんの『サバービアとミステリ』とジョン・カッツのサバービア探偵シリーズのこと」で触れたように、杉江松恋さんは、旧版『サバービアの憂鬱』を参考書にして、川出正樹さん、霜月蒼さん、米光一成さんとの対談形式で電子書籍『サバービアとミステリ』をまとめられたりして、本書をしっかり読み込んでいただいているので、この新書版レビューでも、サバービア(郊外住宅地と文化)をめぐる全体的、歴史的なビジョンと、スピルバーグの『激突!』やレッドフォードの『普通の人々』、ビル・オウエンズの写真集『Suburbia』、ジョン・チーヴァーやアップダイク、スティーヴン・キングやフィリップ・K・ディックといった構成要素の双方に目配りしていただき、読み応えのある内容になっています。
そして個人的になによりも嬉しかったのが、「ページを追ううちに点と点が結ばれて線になり、さらに面を形成していく。この読み心地にはたまらない快感がある」というお言葉。旧版執筆時には、章と章が様々なかたちで密接に結びついていく構成にしようと何度も変更を加え、時間を割いたので、そのように感じていただけるのは最高の喜びです。

大場正明『サバービアの憂鬱 「郊外」の誕生とその爆発的発展の過程』レビュー【評者:杉江松恋】|カドブン