『70年代アメリカ映画100』ついに完成!



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失意の闇に隆起した映画史最大の革命期

遅ればせながら告知を。「アメリカ映画100」シリーズの新刊『70年代アメリカ映画100』(芸術新聞社)が出ました。

コラムと対談の執筆者は以下の方々です。アレックス・コックス、町山智浩、粉川哲夫、生井英考、川本三郎、滝本誠、高崎俊夫、大森さわこ、河原晶子、鈴木慶一、北沢夏音。

編集は渡部幻[主編]、佐野亨[編]のおふたり。私は今回は編集に関わってないので本の方向性などについて語る立場にはありませんが、文字量ということではシリーズのなかで一番たくさん書かせていただきました。

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『カラカラ』 「CDジャーナル」&劇場用パンフレット

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禅の世界に通じる喪失と再生の物語 1/19(土)より公開中

カナダ出身のクロード・ガニオン監督の新作『カラカラ』(12)。前作『KAMATAKI‐窯焚‐』(05)が素晴らしかったので、新作も楽しみにしていましたが、あの“炎”の力強さとはひと味違う、実に味わい深い作品になっています。モントリオール世界映画祭で、世界に開かれた視点賞・観客賞をダブル受賞しています。

カナダから沖縄にやって来た元大学教授ピエール(ガブリエル・アルカン)と夫と大喧嘩して家を飛び出した主婦・純子(工藤夕貴)の出会いから始まる一風変わったロードムービー。軽やかなドラマに見えて、日本語・英語・フランス語、酒器カラカラや芭蕉布、新良幸人の音楽などが織り合わさった世界はけっこう奥が深い。

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ロドリゴ・ガルシア 『アルバート氏の人生』 レビュー

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個人という枠組みを超えて響き合い、引き継がれていくもの

『彼女を見ればわかること』(99)や『美しい人』(05)、『愛する人』(09)を振り返ってみればわかるように、ロドリゴ・ガルシアは、基本的には自分で脚本を書き、監督するタイプのフィルムメーカーだ。例外は、アン・ハサウェイ主演の『パッセンジャーズ』(08)だが、やはり彼の独自の世界を描き出せる題材ではなかった。

新作の『アルバート氏の人生』(11)もガルシアのオリジナルな企画ではないし、脚本にもタッチしていない。企画の出発点は、1982年にグレン・クローズが主役を演じ、オビー賞を獲得した舞台であり、この舞台に運命を感じたクローズは30年近くかけてその映画化にこぎつけた。ガルシアとは『彼女を見ればわかること』と『美しい人』で一緒に仕事をしていることもあり、彼に監督を依頼したのだろう。

この作品は昨年の東京国際映画祭コンペ作品の試写で観たが(その時点では『アルバート・ノッブス』というタイトルだった)、ガルシアのオリジナルな企画ではないので正直なところそれほど期待はしていなかった。しかし映画からはガルシアの世界が浮かび上がってきた。

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『ゼロ・ダーク・サーティ』 試写

試写室日記

本日は試写を1本。

本当はエマヌエーレ・クリアレーゼ監督の『海と大陸』との2本立ての予定で家を出たのだが、駅に着いたらいくつか先の駅で発生した人身事故のせいで電車が止まっていた。乗車したまましばらく待っていたが、すぐには動きそうにないので1本目は諦めることにした。

こういう観ようと思ったときに観られなかった作品は往々にして最後まで試写に行けなかったりする。ちなみに逃したのはこういう↓映画だ。

『ゼロ・ダーク・サーティ』 キャスリン・ビグロー

ビンラディン殺害に至る軌跡を描いたキャスリン・ビグローの新作。プレスの[PRODUCTION NOTES]によれば、ビグローと脚本家のマーク・ボールは、2006年に、トラボラで失敗したビンラディン捕縛作戦についての映画を企画していたという。その後、彼らは『ハート・ロッカー』を完成させ、2011年に新作の製作に入ったが、5月1日にビンラディンが殺害されたためにその企画はボツになり、一からやり直すことになった。

このトラボラの捕縛作戦に対してビグローとボールがどんな関心を持っていたのかというのも気になる。かなり興味深い題材だと思う。アメリカは圧倒的な空軍力でタリバンを叩き、トラボラでビンラディンは袋のねずみ同然になっていた。ところがなぜか大規模な地上軍の投入は見送られ、みすみす取り逃がすことになった。

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『ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀』 『愛、アムール』 試写

試写室日記

本日は試写を2本。

『ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀』 フィリップ・カーデルバッハ

1937年に起こった巨大飛行船ヒンデンブルグ号の爆発炎上事故を題材にしたドイツ映画。もとはテレビ映画として製作された作品で、グレタ・スカッキやステイシー・キーチなども出演している。もともと180分だったものを110分に刈り込んでいるので、いきなりかと思うところもないではないが、非常に手堅い演出で破綻はしていない。

70年代に同じ事故を題材にしたロバート・ワイズ監督の『ヒンデンブルグ』という作品があった。詳しいことは覚えていないが、飛行船に爆弾を仕掛ける目的は“反ナチス”だった。この映画の場合には、グローバリゼーションの時代を意識したような経済に関わる背景が盛り込まれている。

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