『ガザを飛ぶブタ』監督と主演女優に取材

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ジャーナリスティックな視点と強烈なユーモアのコントラスト

TIFFのコンペ作品『ガザを飛ぶブタ』の監督シルヴァン・エスティバルと主演女優のミリアム・テカイアにインタビューした。フランス人のエスティバルは、ジャーナリスト、カメラマンであり、小説や伝記を書く作家でもある。ちなみに彼の小説「Le dernier vol de Lancaster」は、カリム・ドリディ監督、マリオン・コティヤール、ギョーム・カネ主演で映画化されている。筆者は観たことないが、どうも原作の脚色がひどかったらしく、これなら自分で作れると思ったことも、映画に進出した理由のひとつになっているとのこと。

試写室日記でも少し書いたと思うが、一方で非常にジャーナリスティックな視点を盛り込みながら、ブタから精子をとるためにブタのピンナップを作ってしまうというような、この極端な振幅はどうも性分であるようだ。

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『羅針盤は死者の手に』の監督、音楽、衣装、プロデューサーに取材

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普段は楽天的だが、実は緻密な映画作りをしていることを確認

TIFFのコンペ作品『羅針盤は死者の手に』の監督アルトゥーロ・ポンス、音楽のエドガル・バロソ、衣装のアンナ・リベラ、プロデューサーのオスカル・ラミレス・ゴンサレスにインタビューした。紅一点のリベラがスペイン出身で、他の3人はメキシコ出身。ラテン的というか、とにかくノリノリで、一人に質問していても、みんなが次々に答え、通訳さんのメモが整理がつかないくらい長くなる。そして訳しだした通訳さんに声援を送る。

但し、映画の中身に関するコメントはどれも実に興味深かった。衣装から画像の彩度まで、細部から全体の流れまで、驚くほど緻密な作りをしていることがわかった。音楽のバロソが、この映画を10回以上観ているが、いまだに発見があると語っていた。ちなみにこの人、監督と昔からの友だちで、日本ではおそらくほとんど知られていないと思うが、拠点にしているアメリカでは作曲家/演奏者として認知され、いろいろ賞も受賞している。

“Sketches of Briefness” for Ensemble by Edgar Barroso. Performed by ICE (International Contemporary Ensemble). from Edgar Barroso on Vimeo.

“Engrama” for String Quartet by Edgar Barroso / The Diotima Quartet from Edgar Barroso on Vimeo.

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マイケル・ウィンターボトム監督に取材

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新作『トリシュナ』に埋め込まれたサブテーマが見えてきた

新作『トリシュナ』がTIFFコンペ作品になっているマイケル・ウィンターボトム監督にインタビューしてきた。彼にインタビューするのは3度目。最初は『バタフライ・キス』で来日したとき、2度目は『いつまでも二人で』で、このときは電話インタビューだった。いずれにしても10年以上経過している。

ウィンターボトムは早口で、集中してくるとさらに早くなる。コメントの密度も濃いので、その場では把握できなかったことがあとでよみがえり、なるほどと思うことがある。今回もそういうことがあった。

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今週末公開オススメ映画リスト2011/10/27

週刊オススメ映画リスト

今回は『フェア・ゲーム』、『ウィンターズ・ボーン』、『ゴモラ』の3本です。

『フェア・ゲーム』 ダグ・リーマン

イラク戦争に前後する時期には、アメリカ政府やCIAのなかで信じがたいことがいろいろと起こっていた。フセイン政権は開戦前に裏ルートを通じて大量破壊兵器を保有していないことをアメリカに伝えようとしたが、アメリカはバグダードで会おうと、これを突っぱねた。

どうしても戦争がしたいアメリカが飛びついたのは、国外追放処分を受けたイラク人で、“カーブボール”という暗号名を持つ人物の極めて信憑性が薄い大量破壊兵器の情報だった。

バグダード陥落後、故郷で米軍に拘束された大統領補佐官アル・ティクリティは、イラクに大量破壊兵器などなく、とうの昔にすべて破棄されたと告げたが、兵器を探し出すというブッシュ政権の目標が変わることはなかった。

実はCIAは、このアル・ティクリティが告げた事実を開戦前につかんでいた。ところが、政府やCIAの上層部から圧力がかかる。『フェア・ゲーム』では、そこから起こった事件が描き出される。

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マイケル・ウィンターボトム 『トリシュナ』 上映

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ナラティブな要素を削ぎ落とし、状況を浮き彫りにする

東京国際映画祭のコンペ作品の1本、マイケル・ウィンターボトム監督の『トリシュナ』を会場で観た。原作はトマス・ハーディの『テス』。ウィンターボトムにとってハーディの小説の映画化は、『日陰のふたり』、『めぐり逢う大地』につづいて3度目ということになる。但し、最初からハーディの小説の映画化を目指していた作品ばかりではない。

『めぐり逢う大地』の場合は、アメリカになる前のアメリカを題材にした作品の構想を練っているうちに、それがハーディの世界に重なり、映画化ということになった(マイケル・ウィンターボトム・インタビュー参照)。この新作も、舞台を現代のインドに移しての映画化なので、その可能性もある。

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