『スカイライン―征服―』 『光のほうへ』 『プッチーニの愛人』試写

試写室日記

本日は試写を3本。

『スカイライン―征服―』 ストラウス兄弟

ある日突然はじまったエイリアンによる地球侵略。圧倒的な力を持つエイリアンの前に、主人公である普通の人々はなすすべもない。昆虫型、クラゲ型、深海魚を参考にしたクリーチャーたちに捕獲されていく人々を見ながら、なんとなくドナ・ハートとロバート・W・サスマンの『ヒトは食べられて進化した』(化学同人、2007年)のことを思い出していた。人類の祖先は、狩る者ではなく、トラやライオン、クマ、オオカミなどの肉食動物に狩られる者だった。この映画は、そういう学説を意識して作っているわけではないと思うが…。

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『テザ 慟哭の大地』試写

試写室日記

本日は試写を1本。

『テザ 慟哭の大地』 ハイレ・ゲリマ

エチオピア出身でアメリカ在住のハイレ・ゲリマ監督が、祖国の歴史やディアスポラ体験を、現実と記憶や悪夢を自在に交錯させながら描いた力作。

作品そのものについてはまたあらためて書くつもりだが、伝統的な音楽にエレクトロニックな要素を取り入れたり、60~70年代のジャズを意識したスタイルを盛り込んだりと、誰が音楽を手掛けているのか興味をおぼえつつエンド・クレジットを見ていたら、いまをときめくジャズ・ピアニストのヴィジェイ・アイヤーとJorga Mesfin(“ethio jazz”を掲げるバンドWudasseに参加していたサックス奏者で、“The Kind Ones: Degagochu”というアルバムを出している)だった。

作品とともにアイヤーとMesfinの音楽も評価されているようで、カルタゴやドバイの映画祭では音楽賞を受賞している。

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『127時間』 『アジャストメント』試写

試写室日記

本日は試写を2本。

『127時間』 ダニー・ボイル

全米でベストセラーになったアーロン・ラルストンのノンフィクション『奇跡の6日間』(文庫版のタイトルは『127時間』)の映画化。ユタ州の無人の荒野で、崩落した大岩に右腕をはさまれ、身動きがとれなくなったクライマーが体験する“127時間”のドラマ。これまでのダニー・ボイルの作品のなかでは『ザ・ビーチ』に近い。ジェームズ・フランコ演じる主人公と自然との距離から生まれる表現がボイルならではで、非常に面白かった。

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今週末公開オススメ映画リスト2011/03/17+α

週刊オススメ映画リスト

今回は『トゥルー・グリット』、『お家をさがそう』の2本です。おまけとして『ザ・ライト―エクソシストの真実―』の短いコメントをつけました。

『トゥルー・グリット』 ジョエル&イーサン・コーエン

マティ、コグバーン、ラビーフの3人が川という境界を越えて分け入る世界は、先住民たちの土地、犯罪者たちが逃げ込む無法地帯であるだけではない。

コーエン兄弟らしさが最もよく出ているのが、ラビーフと別れたマティとコグバーンの前に、奇妙な光景や人物が出現するところだろう。まず、かなり高い木の枝に男の死体が吊るされている。コグバーンが銃でロープを切ることはたやすいはずだが、マティがわざわざ木にのぼっていき、ナイフでロープを切る。

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3/19 『僕の心の奥の文法』特別上映会が中止に



News

この度の大地震の被害に遭われた皆様、関係者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

3月19日(土)に予定されていたニル・ベルグマン監督の『僕の心の奥の文法』(第23回東京国際映画祭サクラ グランプリ受賞作品)の上映会に、トークのゲストとして参加させていただくことになっておりましたが、大地震の影響により中止が決定いたしました。いずれまた上映される機会が訪れることを期待したいと思います。