今週末公開オススメ映画リスト2011/01/20



週刊オススメ映画リスト

今週は『完全なる報復』、『ソウル・キッチン』、『180°SOUTH/ワンエイティ・サウス』、『フード・インク』の4本です。

『完全なる報復』 F・ゲイリー・グレイ

突然自宅に押し入ってきた二人組の強盗犯に腹部を刺され、妻と娘を殺害されたエンジニアのクライド(ジェラルド・バトラー)。フィラデルフィアで飛び抜けた有罪率を誇る敏腕検事ニック(ジェイミー・フォックス)は、証拠が十分ではないと判断、主犯格の男に極刑を求めず司法取引を行い、数年の禁固刑の有罪を勝ち取る。

裁判からあっさり10年が経過し、犯人たちが残酷な方法であっさりと殺害され、クライドが拘束される。その後にいったいどんな物語が展開していくのか。このような事件から始まる物語は、“復讐”か“喪”へと向かう。アメリカ映画であれば圧倒的に復讐だが、この映画はさらにその先に踏み出す。

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『津軽百年食堂』『コリン LOVE OF THE DEAD』試写



試写室日記

試写を2本観た。

『津軽百年食堂』 大森一樹

弘前から見える岩木山がたまらない。筆者が登りたい山の上位にランクしている。というように書くと映画と関係がないことのようだが、大森監督の『わが心の銀河鉄道~宮沢賢治物語』に岩手山があったように、この映画に岩木山があると考えるべきだろう。

『コリン LOVE OF THE DEAD』 マーク・プライス

試写室で隣の席に荷物を置いていたのは中山治美さんだった。上映が始まるまで、キアロスタミやパナヒなどイラン人の監督のことをいろいろ話していた。

制作費わずか45ポンドで作られたというゾンビ映画。ホラーとして見せようとしている感じはしないし、ゾンビと化した若者のわずかに残る記憶や意識を描きつつも、ありきたりなドラマにはなってしまわない。細部にこだわったカメラワークや編集、そしてなによりもゾンビの生態を観察しているかのような距離が異質な空気を醸し出している。

『アレクサンドリア』試写



試写室日記

本日は試写1本。

『アレクサンドリア』 アレハンドロ・アメナーバル

アレハンドロ・アメナーバルの新作なので早く観たいと思っていたが、なかなかタイミングが合わず、遅くなってしまった。

アメナーバルが、4世紀、ローマ帝国末期のアレクサンドリア、実在の女性天文学者ヒュパティアをどう描くのか期待していたが、それを上回る見応えのある作品だった。

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ファティ・アキン『ソウル・キッチン』レビュー



Review

ハンブルクにあるさえないレストランがアジールに変わるとき

トルコ系ドイツ人のファティ・アキンは、ベルリン国際映画祭グランプリを受賞した『愛より強く』やカンヌ国際映画祭脚本賞を獲得した『そして、私たちは愛に帰る』によって、世界的な注目を集める監督になった。その2作品では、トルコ系ドイツ人というバックグラウンドと結びつくテーマがシリアスに掘り下げられていたが、ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞・ヤングシネマ賞をW受賞した新作『ソウル・キッチン』には、様々な意味で2作品とは異なる方向性が見られる。

この映画は、ハンブルクにあるレストラン“ソウル・キッチン”を中心に展開していくコメディだ。店のオーナー兼シェフは、ギリシャ系のジノス(アダム・ボウスドブコス)。彼が倉庫を買い取り、自分で配管までした店のメニューは、誰でも料理できる冷凍食品ばかりであり、常連客はいるものの、繁盛しているとはいいがたい。

soul kitchen main

2011年1月22日(土)よりシネマライズほか全国順次ロードショー!

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『Adam’s Bushes Eva’s Deep』 by Nasekomix

Listning

カメン・カレフ監督のブルガリア映画『ソフィアの夜明け』を観て、ソフィア出身のバンド“Nasekomix”に魅了された人は少なくないはず。この映画には、<Lady Song>と<Inject Love Song (Inject Me With Love)>の2曲が、彼らの演奏シーンとともに挿入されていた。

『Adam’s Bushes Eva’s Deep』は、彼らのデビューアルバム。エレクトロニック、ジャズ、パンク、タンゴなど多様なジャンルを取り込みつつ、無駄を削ぎ落とし、空間を生かすミニマルな音作り。だから、アコーディンやキーボードも担当するAndronia Popovaの囁きかけてくるような、影と透明感のあるヴォーカルが際立ち、独特の親密さを生み出す。

adam eva

Adam's Bushes Eva's Deep

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