今週末公開オススメ映画リスト2011/02/03+α

週刊オススメ映画リスト

今回は『ザ・タウン』『再会の食卓』『心中天使』の3本です。

おまけとして『ウォール街』の続編『ウォール・ストリート』とブラッド・アンダーソン監督の『リセット』の短いコメントをつけました。

『ザ・タウン』 ベン・アフレック

ベン・アフレックの監督第2作。強盗が家業のように引き継がれている共同体。そんな共同体が内部と外部の双方から崩壊していくことが、このドラマをより印象深いものにしている。詳しいことは『ザ・タウン』レビューをお読みください。

『再会の食卓』 ワン・チュエンアン

前作『トゥヤーの結婚』とこの『再会の食卓』。二作つづけて二人の夫を持つヒロインの物語を映画にする監督などそうそういるものではない。そういう家族のかたちが、個人と社会や歴史を深く結びつけ、複雑な感情が描き出される。詳しいことは『再会の食卓』レビューをお読みください。

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今週末公開オススメ映画リスト2011/01/27+α



週刊オススメ映画リスト

今回はちょっと少ないですが、『冷たい熱帯魚』と『ブローン・アパート』の2本です。

おまけとして『RED/レッド』と『ワラライフ!!』の短いコメントもつけました。それと『白夜行』は筆者も担当させていただいている「週刊朝日」の映画採点表で取り上げられています。

『冷たい熱帯魚』 園子温

『紀子の食卓』や『愛のむきだし』で突き詰められてきた家族の世界にひとつの区切りをつける作品。詳しいことは『冷たい熱帯魚』レビューをお読みください。

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今週末公開オススメ映画リスト2011/01/20



週刊オススメ映画リスト

今週は『完全なる報復』、『ソウル・キッチン』、『180°SOUTH/ワンエイティ・サウス』、『フード・インク』の4本です。

『完全なる報復』 F・ゲイリー・グレイ

突然自宅に押し入ってきた二人組の強盗犯に腹部を刺され、妻と娘を殺害されたエンジニアのクライド(ジェラルド・バトラー)。フィラデルフィアで飛び抜けた有罪率を誇る敏腕検事ニック(ジェイミー・フォックス)は、証拠が十分ではないと判断、主犯格の男に極刑を求めず司法取引を行い、数年の禁固刑の有罪を勝ち取る。

裁判からあっさり10年が経過し、犯人たちが残酷な方法であっさりと殺害され、クライドが拘束される。その後にいったいどんな物語が展開していくのか。このような事件から始まる物語は、“復讐”か“喪”へと向かう。アメリカ映画であれば圧倒的に復讐だが、この映画はさらにその先に踏み出す。

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今週末公開オススメ映画リスト2011/01/13

週刊オススメ映画リスト

今週は『ヤコブへの手紙』『ジャライノール』『愛する人』『ソーシャル・ネットワーク』の4本です。

クラウス・ハロ 『ヤコブへの手紙』

公開より後になってしまいますが、1月20日発売の「CDジャーナル」2月号にレビューを書いています。

その昔、ジム・ジャームッシュは自分のスタイルを “less is more” という言葉で表現していた。説明や情報を削ぎ落としていけば、空間が広がり、自由な解釈や想像の余地が生まれる。逆にテレビの2時間ドラマのように、何でもかんでも説明してしまえば、 “more is less” になる。このフィンランド映画は、そんな “less is more” が効力を発揮する作品であり、描かれない部分の解釈によってドラマが奥深いものになっていく。

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