『tirtha』 by vijay iyer with prasanna & nitin mitta
- 2011年06月06日
- International, Jazz, アルバム日記, 音楽
- アメリカ, インド, グローバリゼーション, ディアスポラ, パキスタン, ピアノ, ファリード・ハーク, ルドレシュ・マハンサッパ, レズ・アバシ, ヴィジェイ・アイヤー
ジャズ・ピアニスト、アイヤーがインド音楽に接近したわけは?
遅ればせながら、ヴィジェイ・アイヤー(Vijay Iyer)の『tirtha』(2011)である。前から聴いてはいたが、まだ取り上げていなかった。アイヤーのディスコグラフィのなかではかなり異色の作品といっていいだろう。
いまのニューヨークのジャズ界で目立つのが、アイヤーやRudresh Mahanthappa、Rez Abbasiといったインド亜大陸にルーツを持つミュージシャンたちだ。但し、アイヤーとMahanthappaやAbbasiでは、音楽の方向性が少し異なるように見える。
Mahanthappaは、南インドの古典音楽にサックスを導入して独自の世界を確立したKadri Gopalnathに大きな影響を受け、このインドの巨匠とコラボレーションを展開する『Kinsmen』(08)や、パキスタンのカラチ生まれのAbbasiとタブラ奏者Dan WeissをメンバーとするIndo-Pak Coalition名義の『Apti』(08)で、インド音楽へと接近した。