『行き止まりの世界に生まれて』|ニューズウィーク日本版のコラム「映画の境界線」記事

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荒廃するラストベルト、悲惨な過去を乗り越えようとする若者の葛藤、『行き止まりの世界に生まれて』

ニューズウィーク日本版のコラム「映画の境界線」の2020年9月3日更新記事で、アメリカの新鋭ビン・リューの長編デビュー作となるドキュメンタリー『行き止まりの世界に生まれて』(18)を取り上げました。

産業が衰退したラストベルトにある街ロックフォードを舞台に、もがきながら成長する3人の若者を描いています。一見すると、子供の頃からそれぞれに父親や継父に暴力を振るわれてきた3人が、スケートボードにのめり込み、そのなかのひとり、ビンがビデオグラファーになり、仲間を撮るうちにドキュメンタリーに発展し、本作が誕生したかのように見えますが、実は作品の出発点は別のところにあり、非常に複雑なプロセスを経て完成にこぎ着け、結果としてドキュメンタリーの枠を超えたドキュメンタリーになっています。その隠れた出発点やプロセスがわかると、作品の印象も変わるのではないかと思います。

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荒廃するラストベルト、悲惨な過去を乗り越えようとする若者の葛藤、『行き止まりの世界に生まれて』

2020年9月4日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開