『鉄くず拾いの物語』 映画.com レビュー & 劇場用パンフレット
ドキュメンタリーとフィクションの狭間に見る「リアル」
2014年1月11日(土)より新宿武蔵野館ほかで全国順次ロードショーになるダニス・タノヴィッチ監督(『ノー・マンズ・ランド』『美しき運命の傷痕』)の新作『鉄くず拾いの物語』(13)に関する告知です。
この映画は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに暮らすあるロマの一家に起きた出来事を、当事者を起用して描いた異色のドキュドラマで、ベルリン国際映画祭で三冠に輝いています。
「映画.com」の1月7日更新の映画評枠に、「ロマの一家の「リアル」を鮮やかに描出した人間ドラマ」のタイトルのレビューを、さらに劇場用パンフレットに「洞察と象徴を通して浮き彫りにされるロマの一家の現実」というタイトルのコラムを書いています。
映画.com レビューで書いたように、この映画は、弱者が置かれた状況をリアルな再現ドラマを通して告発する作品のように見えて、実はタノヴィッチ監督の独自の視点や構成が埋め込まれています。
また、劇場用パンフレットでは、映画に見られる象徴的な表現に加えて、これまでロマについてあまり知らなかったタノヴィッチ監督が、その洞察力でいかにロマの日常をとらえているのかを、イザベル・フォンセーカの『立ったまま埋めてくれ ジプシーの旅と暮らし』(青土社)なども引用しつつ、掘り下げています。劇場で作品をご覧になりましたら、ぜひパンフもお読みください。
それでは、「映画.com」の『鉄くず拾いの物語』レビューをお読みください。