今週末公開オススメ映画リスト2012/02/02
今回は『人生はビギナーズ』『NINIFUNI』『ハンター』の3本です。
『人生はビギナーズ』 マイク・ミルズ
『サムサッカー』のマイク・ミルズの新作。ミルズのプライベート・ストーリーに基づく物語で、75歳にしてカミングアウトした父親と息子の絆が描かれる。月刊「宝島」2012年3月号の連載コラムでレビューを書いております。
父親はどんな時代をくぐり抜けてきたのか。それがわかっているとドラマがより深いものになる。ミルズの表現はさり気ないが、明らかに(特に50年代の)抑圧の時代を理解していてそのように描いている。
ステファニー・クーンツの『家族という神話 アメリカン・ファミリーの夢と現実』(岡村ひとみ訳/筑摩書房)には、その50年代が以下のように表現されている。
「冷戦下の心理的不安感が、家庭生活におけるセクシュアリティの強化や商業主義社会に対する不安と混じり合った結果、ある専門家がジョージ・F・ケナンの対ソ封じ込め政策の家庭版と呼ぶ状況を生み出したのである。絶えず警戒を怠らない母親たちと「ノーマルな」家庭とが、国家転覆を企む者への防衛の「最前線」ということになり、反共主義者たちは、ノーマルではない家庭や性行動を国家反逆を目的とした犯罪とみなした。FBIやその他の政府機関が、破壊活動分子の調査という名目で、前例のない国家による個人のプライバシーの侵害を行った。さらに、アカ狩りと同じくらい悪質で大規模な同性愛者への迫害が行われた」
『NINIFUNI』 真利子哲也
『NINIFUNI』レビューと試写室日記をお読みください。真利子監督と共同で脚本を手がけた竹馬靖具の監督デビュー作『今、僕は』も必見です。上映の機会があったらお見逃しなく。その竹馬監督は新作『蜃気楼(仮)』の準備中とのこと。
『ハンター』 ダニエル・ネットハイム
映画.comの『ハンター』レビューと劇場用パンフレットのコラム「広大な自然の中で真のハンターとなった男の物語」をお読みください。