今週末公開オススメ映画リスト2013/02/07
- 2013年02月07日
- 映画, 週刊オススメ映画リスト
- アメリカ, イスラエル, ウェス・アンダーソン, オルガ・キュリレンコ, ディアスポラ, ドイツ, ドキュメンタリー, ナチズム, フランス, マルクス・O・ローゼンミュラー, ミハル・ボガニム, 原発, 女性監督, 家族, 戦争, 音楽
今回は『故郷よ』『ムーンライズ・キングダム』『命をつなぐバイオリン』の3本です。
『故郷よ』 ミハル・ボガニム
チェルノブイリ原発の立入制限区域(30キロ圏内)で劇映画を撮るというのは、許可を得るのにも煩雑な手続きが必要になるでしょうし、キャストもそれなりの覚悟が必要になると思います。
ミハル・ボガニム監督は、ヒロインにオリガ・キュリレンコを起用したことについて、プレスのインタビューで以下のように語っています。
「オリガ・キュリレンコはウクライナ人です。彼女は子供の時に起きた事故のことをとてもよく覚えていました。彼女はまさにアーニャ自身でした。「アーニャは私です」と彼女は言ってくれましたが、始まるまで私はほんの少しそのことを疑っていました。というのは、彼女は美しすぎるからです。それで、私は彼女を起用するより無名の誰かを準備した方がいいと考えオーディションをしましたが、参加してくれたオルガの演技が印象に残りました。その印象をもとに彼女とアーニャを作っていきました」
そのキュリレンコは、テレンス・マリック監督の新作『To the Wonder』(12)にも出演していますね。
イスラエルのハイファに生まれたミハル・ボガニム監督は、幼少期に両親がレバノン戦争に巻き込まれ、家族でパリに移住しました。2005年に『Odessa…Odessa!』というドキュメンタリーを発表していますが、彼女のルーツにも関わりを持つ作品のようで、気になりなます。クレズマーとか、たくさん聴けそうな予感もします。
『故郷よ』の物語も、彼女のそんな過去の体験と無関係ではないはずです。→『故郷よ』レビュー
『ムーンライズ・キングダム』 ウェス・アンダーソン
『ムーンライズ・キングダム』レビューに、これまでのアンダーソン作品について感じていたことまで含めていろいろ書きましたので。このサントラはいいですね、超オススメです。
『命をつなぐバイオリン』 マルクス・O・ローゼンミュラー
まずは『命をつなぐバイオリン』試写室日記を。クライマックスについてはどうしても引っかかってしまうのですが、そこに至るまでの流れはいいと思いますので、ここに加えました。→『命をつなぐバイオリン』レビュー
ローゼンミュラー監督の2000年の長編デビュー作、『Der tote Taucher im Wald(森の中で死んだダイバー)』というタイトルが気になったのですが、森林火災が起こって、近辺に湖も川もない場所から、フル装備のダイバーの焼死体が発見されて、その謎に迫るような話のようですな。