同じイタリアのアンドレア・セグレ監督の『ある海辺の詩人―小さなヴェニスで―』レビューのなかで、筆者はセグレ監督が移民問題を題材にしたドキュメンタリーを監督していると書きました。『Come un uomo sulla terra / Like a Man on Earth』(08)では、リビアから地中海を渡ってイタリアにたどり着いた難民たちが苦難の道程を自ら語り、『Mare chiuso / Closed Sea』(12)では、イタリアとリビアの間で結ばれたアフリカ難民をめぐる協定の実態が明らかにされています。
映画はフィクションですが、PTAはサイエントロジーの始まりの時期をかなり詳しく調べ、ランカスター・ドッドという人物を創造しています。試写室日記では、サイエントロジーの実態に迫ったローレンス・ライトの『Going Clear』を取り上げましたが、「キネマ旬報」の原稿では、歴史学者ヒュー・B・アーバンの『The Church of Scientology: A History of a New Religion』を参考にしました。想像にすぎませんが、PTAも参考にしているように思えます。