ステファン・コマンダレフ 『さあ帰ろう、ペダルをこいで』 レビュー
見えない世界と繋がるサイコロを振るとき新たな人生が始まる
ステファン・コマンダレフ監督の『さあ帰ろう、ペダルをこいで』(08)については、試写を観るだいぶ前から、ステファン・ヴァルドブレフが手がけたサントラを聴いていた。
ブルガリアを代表するクラリネット奏者で、バルカンの伝統やジャズを取り込んだ独自のジャンル(“ウェディング・バンド”ミュージック)を確立したIvo Papazovが参加していたこともあるが、さらにもうひとり、興味をそそられるミュージシャンが参加していた。
カメン・カレフ監督の『ソフィアの夜明け』の音楽と劇中のパフォーマンスで大きな注目を集めるようになったソフィア出身のバンド“Nasekomix”。このバンドでヴォーカル、アコーディオン、キーボードなどを担当するAndronia Popovaが1曲だけ参加し、ラテン・ナンバーを歌っている。そのことについては、ブログで彼らのデビューアルバム『Adam’s Bushes Eva’s Deep』を取り上げたときに書いた。
これはお気に入りのサントラなので、それを聴きながらテキストを読んでいただければと思う。