ロバート・ケナー 『フード・インク』レビュー
食品を通してわたしたちを支配する見えないシステムの脅威
ロバート・ケナー監督のドキュメンタリー『フード・インク』では、工業化された農業、多国籍企業による食品の支配、利益だけを追求する徹底した合理化が生み出す脱人間化といったテーマが掘り下げられていく。
この映画のプロデューサーで、中心的なガイド役を務めているのは、『ファストフードが世界を食いつくす』(楡井浩一訳/草思社/2001年)の著者でジャーナリストのエリック・シュローサーだ。ケナー監督はプレスに収められたインタビューで、この映画の企画について以下のように語っている。