『The Union』 by Hallock Hill

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生まれた場所、アップステイトへのオマージュ

Hallock Hillは、Tom Leckyのペンネームで、そこには彼が生まれたニューヨーク州のアップステイトの田園地帯へのオマージュが込められているという。

アルバム『The Union』は、ギターのループや即興を思わせるメロディなどを重ねて作られた美しいサウンドスケープだ。

Hallock Hillのブログを読むと、彼がRichard Skeltonのファンであることがわかる。その音作りも、ただ自然や場所を意識するだけではなく、風景にまつわる記憶を掘り下げ、隠れた歴史を音で表現しようとしているところが、Skeltonに通じるものがある。

union

The Union (2011)

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『math or magic』 by evan weiss

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“Soundscapes”というインタビュー記事のタイトルにひかれて…

Evan Weissの『math or magic』というアルバムが出ているのは知っていたが、まったくノーマークだった。ところが、all about jazzで“Soundscapes”というタイトルがつけられたWeissのインタビュー記事を見つけて、好奇心がもたげた。

情報をいろいろ頭に詰め込んでから聴くのがいやなので、記事は読まずにまず音を手に入れた。Weissはトランペッター/コンポーザーだが、なるほど面白いことをやっている。

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"math or magic" by Evan Weiss

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、フルート、バスーン、マリンバなどを含む大編成のアンサンブルを操り、ジャズ、クラシック、ミニマル・ミュージックなどが融合したサウンドスケープを作り上げている。全13曲の構成にも仕掛けがほどこされている。

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Richard Skelton 『Landings』 レビュー

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場所から生まれ、場所を取り込み、そして場所に帰る――儀式としての音楽

イギリス・ランカシャーの自然とともに生きるアーティスト、リチャード・スケルトン(Richard Skelton)は、自身のレーベル“Sustain Release”を立ち上げ、Clouwbeck、 Heidika、 Carousell、A Broken Consortなどの様々な名義で作品を発表してきた。リチャード・スケルトンの名前を使ったのは、『Marking Time』(2008)が最初で、それにつづくのが『Landings』(2009)だ。

スケルトンが、弓弾きの弦楽器(主にヴァイオリン)、ギター、マンドリン、ピアノ、アコーディオン、パーカッションなどから紡ぎ出すレイヤー・サウンドはすぐにわかる。そこには彼でなければ切り拓けないサウンドスケープがある。音の断片は生々しく、ノイジーでもあり、身体というものを意識させる。ところがそうした断片で構築される空間は、美しく静謐で、幽玄とすらいえる。

Richard Skelton – Landings by _type

そんなスケルトンのサウンドスケープは、彼の精神や世界観と深く結びついている。

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Jana Winderen 『Energy Field』 レビュー

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音の世界に生きることへの想像力を喚起するサウンドスケープ

ノルウェー出身のJana Winderenは、90年代前半から主にサウンド・インスタレーションの分野で活動しているサウンド・アーティスト、プロデューサー、キュレーター、ディレクターだ。

彼女は4年に渡ってグリーンランド、アイスランド、ノルウェー、バレンツ海を踏査し、氷河のクレバスの深部やフィヨルド、外洋でフィールド・レコーディングを行ってきた。Touchレーベルからリリースされたアルバム『Energy Field』は、その音源をもとに作られた作品で、<Aquaculture 17:51>、<Isolation / Measurement 11:41>、<Sense of Latent Power 20:19>の3曲が収められている。

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Energy Field

そんなフィールド・レコーディングなかでも特に興味深いのが、ハイドロフォンを使って採取される海中の音だろう。彼女はできるだけ深い場所で音を採取しようと試み、最近ではケーブルの長さが90メートルにもなっているという。

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Julia Kent 『Green and Grey』 レビュー

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ニューヨーク在住のチェリストが紡ぎ出す自然と都市と人間のサウンドスケープ

カナダ出身で、ニューヨークを拠点に活動するチェリスト、ジュリア・ケント(Julia Kent)は、インディアナ大学でクラシックとチェロを学んだが、クラシックの音楽家になりたいと思っていたわけではなかった(ちなみに彼女の姉妹のジリアン・ケントは、クラシックのバイオリニストとして活躍している)。

そんな彼女は、学校を出てからしばらくジャーナリズムの世界で仕事をしたあと、3本のチェロを中心にしたオルタナティブなバンドRasputinaのオリジナル・メンバーになり、チェリストとしてのキャリアをスタートさせる。そして、90年代末にバンドを離れた後は、Antony and the Johnsonsのメンバーとなる一方で、Burnt Sugar the Arkestra Chamber、Leona Naess、Angela McCluskeyなど様々なミュージシャンたちとセッションを繰り広げていく。

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Delay (2007)

ジュリアが2007年にリリースした最初のソロ・アルバム『Delay』は、そんな活動と無関係ではない。彼女はAntonyやその他のグループとのツアーで訪れた各国の“空港”にインスパイアされて、このアルバムを作った。

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