『’Round Midnight (Homage to Thelonious Monk)』 by Emanuele Arciuli



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20の<Round Midnight>と、ひとつの<Round Midnight>

ジャズ史のなかで異彩を放つ唯一無二のピアニスト、セロニアス・モンク。これまで様々なミュージシャンたちが、モンクのトリビュート作品を発表してきたが、Emanuele Arciuliの『’Round Midnight (Homage to Thelonious Monk)』は、そのどれとも似ていない。まったく異色の作品といえる。

Emanuele Arciuliは、イタリアのクラシックのピアニストだ。トリビュート作品では当然、モンクの生み出した様々な楽曲が取り上げられるはずだが、このアルバムでは、モンクの代表曲にしてスタンダード・ナンバーになっている<Round Midnight>だけだ。

round midnight

'Round Midnight (Homage to Thelonious Monk)

Arciuliは、これまで一緒に仕事をしてきたアメリカとヨーロッパの作曲家たちに協力を求め、それぞれの作曲家が<Round Midnight>の同じテーマの変奏を試みた。

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今週末公開オススメ映画リスト2011/04/28+α

週刊オススメ映画リスト

今回は『四つのいのち』、『キッズ・オールライト』、『生き残るための3つの取引』の3本です。

おまけとして『ミスター・ノーバディ』と『ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男』の短いコメントをつけました。

 

『四つのいのち』 ミケランジェロ・フランマルティーノ

舞台は南イタリア、カラブリア州の山深い地域。この監督のスタイルは非常にユニークだ。フィクションが散りばめられているのに、いつの間にかフィールド・ワークに基づくドキュメンタリーを観ているような錯覚におちいり、静謐な映像世界に引き込まれている。「CDジャーナル」2011年5月号にこの作品のレビューを書いています。

ちなみに監督はプレスのインタビューでこんな発言をしている。「カメラを気にしない動物たちは、フィクションとドキュメンタリーの垣根を越えたいという、私が映画を作るときにいつも抱いている願望を果たさせてくれました」

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『スカイライン―征服―』 『光のほうへ』 『プッチーニの愛人』試写

試写室日記

本日は試写を3本。

『スカイライン―征服―』 ストラウス兄弟

ある日突然はじまったエイリアンによる地球侵略。圧倒的な力を持つエイリアンの前に、主人公である普通の人々はなすすべもない。昆虫型、クラゲ型、深海魚を参考にしたクリーチャーたちに捕獲されていく人々を見ながら、なんとなくドナ・ハートとロバート・W・サスマンの『ヒトは食べられて進化した』(化学同人、2007年)のことを思い出していた。人類の祖先は、狩る者ではなく、トラやライオン、クマ、オオカミなどの肉食動物に狩られる者だった。この映画は、そういう学説を意識して作っているわけではないと思うが…。

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Julia Kent 『Green and Grey』 レビュー

Review

ニューヨーク在住のチェリストが紡ぎ出す自然と都市と人間のサウンドスケープ

カナダ出身で、ニューヨークを拠点に活動するチェリスト、ジュリア・ケント(Julia Kent)は、インディアナ大学でクラシックとチェロを学んだが、クラシックの音楽家になりたいと思っていたわけではなかった(ちなみに彼女の姉妹のジリアン・ケントは、クラシックのバイオリニストとして活躍している)。

そんな彼女は、学校を出てからしばらくジャーナリズムの世界で仕事をしたあと、3本のチェロを中心にしたオルタナティブなバンドRasputinaのオリジナル・メンバーになり、チェリストとしてのキャリアをスタートさせる。そして、90年代末にバンドを離れた後は、Antony and the Johnsonsのメンバーとなる一方で、Burnt Sugar the Arkestra Chamber、Leona Naess、Angela McCluskeyなど様々なミュージシャンたちとセッションを繰り広げていく。

delay

Delay (2007)

ジュリアが2007年にリリースした最初のソロ・アルバム『Delay』は、そんな活動と無関係ではない。彼女はAntonyやその他のグループとのツアーで訪れた各国の“空港”にインスパイアされて、このアルバムを作った。

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『127時間』 『アジャストメント』試写

試写室日記

本日は試写を2本。

『127時間』 ダニー・ボイル

全米でベストセラーになったアーロン・ラルストンのノンフィクション『奇跡の6日間』(文庫版のタイトルは『127時間』)の映画化。ユタ州の無人の荒野で、崩落した大岩に右腕をはさまれ、身動きがとれなくなったクライマーが体験する“127時間”のドラマ。これまでのダニー・ボイルの作品のなかでは『ザ・ビーチ』に近い。ジェームズ・フランコ演じる主人公と自然との距離から生まれる表現がボイルならではで、非常に面白かった。

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