02/10トークショー終了



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『ゼロ年代アメリカ映画100』刊行記念トークショー、無事に終了いたしました。人前でお話をするのは、レッドフォードの『クイズ・ショウ』の一般試写で、上映前に作品の紹介をやって以来ほぼ15年ぶりだったので、どうなることやらと内心ひやひやしてましたが、場慣れした大森さんのおかげでひどい混乱に陥ることもなく、2時間弱、最後まで乗り切ることができました。

会場も盛況でひと安心。個人的なゼロ年代ベストテンの作品に触れつつ、脳内、50年代サバービア、サンフェルナンド・ヴァレー、南部、国境、野生、生者と死者など様々なテーマを取り上げましたが、いかがだったでしょうか。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

ミヒャエル・ハネケ 『白いリボン』レビュー



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独自の視点で向き合うナチスとファシズム

■■物語の舞台設定とドイツ帝国成立の過程■■

ミヒャエル・ハネケは、精緻な考察と斬新な表現でヨーロッパの歴史や社会の暗部を抉り出してみせる。『ピアニスト』(01)に登場するピアノ教授のヒロインは精神的に男になっているが、それは伝統や制度に潜む男性優位主義に呪縛され、欲望を規定されているからだ。『隠された記憶』(05)に描き出される人気キャスターの忘却と不安、過剰な自己防衛は、歪曲され、黙殺されたマグレブ移民弾圧の歴史に起因している。

新作『白いリボン』ではハネケの鋭敏な感性がさらに研ぎ澄まされているが、それは彼が見出した題材と無関係ではないだろう。ミュンヘンに生まれ、オーストリアで育ち、近年はフランスを拠点に活動してきたハネケは、この新作でドイツと向き合い、独自の視点からナチスやファシズムに迫っている。

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今週末公開オススメ映画リスト2011/02/03+α

週刊オススメ映画リスト

今回は『ザ・タウン』『再会の食卓』『心中天使』の3本です。

おまけとして『ウォール街』の続編『ウォール・ストリート』とブラッド・アンダーソン監督の『リセット』の短いコメントをつけました。

『ザ・タウン』 ベン・アフレック

ベン・アフレックの監督第2作。強盗が家業のように引き継がれている共同体。そんな共同体が内部と外部の双方から崩壊していくことが、このドラマをより印象深いものにしている。詳しいことは『ザ・タウン』レビューをお読みください。

『再会の食卓』 ワン・チュエンアン

前作『トゥヤーの結婚』とこの『再会の食卓』。二作つづけて二人の夫を持つヒロインの物語を映画にする監督などそうそういるものではない。そういう家族のかたちが、個人と社会や歴史を深く結びつけ、複雑な感情が描き出される。詳しいことは『再会の食卓』レビューをお読みください。

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一尾直樹 『心中天使』レビュー



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携帯やネットが生み出す形而上学的変異によって人と人の繋がりや世界はどう変わるのか

『心中天使』(10)は、一尾直樹監督にとって劇場デビュー作『溺れる人』(00)に続く2作目の長編劇映画となる。

名古屋を拠点に活動する一尾監督の作品には共通点がある。まず、地域性が前面に出てくることがない。ドラマの背景になるのは、均質化した社会の日常だ。そしてもうひとつ、平凡な日常のなかに、常識的にはあり得ないと思えるようなことが起こる。

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ベン・アフレック 『ザ・タウン』レビュー



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土地そのものとの関係が希薄な幻想の共同体と確かな感触を持つ土を媒介にした絆

ベン・アフレックの監督第2作、チャック・ホーガンのミステリー『強盗こそ、われらが宿命<さだめ>』を映画化した『ザ・タウン』でまず興味をそそられるのは、物語の舞台となるマサチューセッツ州チャールズタウンだ。

ボストンの北東部に位置し、住民たちが“タウン”と呼ぶこの地域は、他のどの地域よりも多くの銀行強盗、現金輸送車強盗を生み出してきた。もちろんそれには理由がある(ことになっている)。かつてチャールズタウンには凶悪犯罪者用の最重要警備刑務所が存在し、その刑務所が移転したあとも、犯罪者の共同体が残った。

アフレックがそんな背景に関心を持っていたことは、プレスに収められら彼のコメントから察せられる。

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